ヨーロッパ式☆風邪の治し方~フランス&クロアチア編~
「ヨーロッパの人はお酒が強い」というイメージ、ありますよね。ワインやビールを日常的に楽しむ文化のせいか、彼らにとってお酒はただの嗜好品にとどまらず、健康法や家庭の知恵としても活用されているのです。驚くことに、風邪の治し方にまでお酒が登場します。
「子どもにお酒!? 大丈夫なの?」と思わずツッコミを入れたくなりますが、実際にヨーロッパの家庭では少量を薬のように用いることもあるそう。もちろん現代医学的に安全が保証されているわけではないので、あくまで文化的な知恵として「へぇ〜!」と楽しんでいただければと思います。
それでは、実際にフランスとクロアチアで伝えられているユニークな風邪の治し方を見ていきましょう。
クロアチア編:万能薬「ラキヤ」で風邪を撃退!?
クロアチアでは「ラキヤ(Rakija)」という蒸留酒がとても愛されています。ブドウやプラムなどの果実を発酵させて作る伝統的なお酒で、アルコール度数はなんと40〜60%!日本の焼酎やウイスキーよりも強いこともあり、ひと口飲むだけで喉の奥までカーッと熱くなるお酒です。
このラキヤ、単なる嗜好品にとどまらず、昔から家庭の万能薬として使われてきました。風邪をひいたときに「一杯のラキヤ」が登場するのはクロアチアでは珍しくありません。
- 喉風邪や腹痛にラキヤを飲む
ラキヤの強いアルコールには殺菌効果があると信じられていて、喉の痛みやお腹の不調を改善するために少量飲むことがあります。 - 高熱時は体に塗る
さらに驚くのは、熱が出たときの使い方。喉、手首、足首にラキヤを塗ると熱が下がるといわれています。アルコールの気化熱を利用した伝統的な知恵ですが、実際に今でもおばあちゃん世代の方がすすめる家庭療法です。

日本では「梅酒や焼酎でうがいをする」といった民間療法もありますが、クロアチアのラキヤはまさにその強烈版。文化の違いが面白いですね。
フランス編:クローブ入りホットウィスキーでポカポカ
フランスといえばワインのイメージが強いですが、風邪対策に使われるのは意外にもウィスキー。ここに「クローブ」というスパイスを加えて温めて飲むのが定番の家庭療法です。
クローブとは?
クローブは料理や紅茶に使われるスパイスで、独特の香りを持ちます。その香りを嗅ぐと「歯医者さんみたい!」と感じる人も多いのですが、それもそのはず。クローブには鎮痛効果と抗菌作用があり、歯科治療で局所麻酔として使われてきた歴史があるのです。
さらにクローブに含まれる「オイゲノール」という成分には強い抗酸化作用があり、老化や動脈硬化の予防、消化促進、体を温める作用も期待できます。

クローブ入りホットウィスキーの作り方
- 小鍋にウィスキーを入れる
- クローブを数粒加えて温める
- 香りが立ったらカップに注ぎ、ゆっくりと飲む
アルコールの殺菌効果とクローブの薬効で、喉の痛みや寒気を和らげてくれるといわれています。まさに「飲む風邪薬」ですね。
※ただし、妊娠中・授乳中の方やお子さんにはNG。大人も寝る前に楽しむのがおすすめです。
フランス番外編:お酒が飲めないときのハーブ&はちみつ療法
「お酒は苦手…」「これから運転があるから飲めない」という方もご安心を。フランスではお酒を使わない風邪対策もあります。
それが、ハーブオイルとはちみつの組み合わせ。

作り方
- ティースプーン1杯のはちみつに、ハーブオイル(Salo)を3〜5滴たらす
- 口の中で溶かすようにして飲み込む
はちみつ自体にも殺菌・抗炎症作用があり、喉の痛みや咳を和らげる効果が期待できます。そこにハーブの力が加わることで、自然派の風邪対策としてとても人気。フランスの滞在先のお母さんは「これが本当に効くの!」と風邪の時は毎日3回飲んでいました。
まとめ
クロアチアのラキヤ、フランスのクローブ入りホットウィスキー、そしてはちみつとハーブの組み合わせ。どれも「おばあちゃんの知恵袋」のような温かみのある風邪の治し方でした。
もちろん医学的な効果は保証されていないので、体調が悪いときは病院を受診することが第一です。ただ、こうしたヨーロッパの家庭療法を知ることで「国が違えば風邪の治し方も違うんだな」と文化の多様性を感じられますよね。
風邪をひいたときは、薬に頼る前にこうした自然療法をちょっと試してみるのもいいかもしれません。体を温めてリラックスするだけでも回復につながります。
次にヨーロッパを旅する機会があれば、現地の人に「風邪をひいたときどうしてる?」と聞いてみると、さらに面白い知恵が聞けるかもしれませんよ♪